概念

特徴Dockerコンテナ
基本構造コンテナはホストOS上で直接実行される軽量なプロセス
仮想化レイヤーOSレベルの仮想化（ホストOSのカーネルを共有）
独立性ホストOSのカーネルを共有（完全には独立していない）
特徴仮想マシン（VirtualBoxなど）
基本構造仮想マシンはホストOS上に完全な仮想OSを起動する
仮想化レイヤーハードウェアレベルの仮想化（ハイパーバイザー）
独立性完全に独立した仮想環境（仮想ハードウェアを持つ）

性能

特徴Dockerコンテナ
起動速度非常に高速（秒単位）
リソース使用量軽量（OSのカーネルを共有するため）
パフォーマンスネイティブに近い性能
特徴仮想マシン（VirtualBoxなど）
起動速度比較的遅い（数十秒〜数分）
リソース使用量重い（仮想OSやハードウェアをエミュレート）
パフォーマンスホストOS上での仮想化オーバーヘッドがある

使用用途

特徴Dockerコンテナ
主な用途アプリケーションの軽量なデプロイと実行、マイクロサービスやCI/CDパイプライン
OSの種類ホストOSと同じOSカーネルが必要（例: LinuxコンテナはLinuxカーネルのみ）
開発環境開発やテスト環境の構築に最適
特徴仮想マシン（VirtualBoxなど）
主な用途異なるOS環境を再現、フルスタックのシステム構築やテスト
OSの種類異なるOSを完全に実行可能（例: LinuxホストでWindows VMを動作）
開発環境フルスタック環境やレガシーOSの動作に最適

構造

Dockerコンテナ

  • ホストOS のカーネルを共有し、プロセスとして隔離される
  • アプリケーションの依存関係やライブラリを含む軽量な単位として動作
ホストOS
├── Dockerエンジン
    ├── コンテナ1（アプリ+依存関係）
    ├── コンテナ2（アプリ+依存関係）

仮想マシン（VirtualBox）

  • 仮想ハードウェアの上に完全なゲストOSが動作
  • ホストOSとは独立した環境を提供
ホストOS
├── ハイパーバイザー（例: VirtualBox）
    ├── VM1（ゲストOS + アプリ）
    ├── VM2（ゲストOS + アプリ）

長所と短所

Dockerコンテナ

  • 長所
    • 軽量でリソース効率が良い
    • 起動が速い
    • 同じホストで複数のコンテナを効率よく実行可能
    • DevOpsやCI/CDのワークフローに最適
  • 短所
    • 異なるカーネルを使用するOSを動かせない（例: Windows上でLinuxカーネルを動かすことは不可）
    • 仮想マシンほどの完全な隔離性はない

仮想マシン（VirtualBoxなど）

  • 長所
    • 完全に独立した環境を提供（異なるOSを実行可能）
    • セキュリティや隔離性が高い
    • フルスタック環境のテストに最適
  • 短所
    • リソース消費が大きい
    • 起動時間が長い
    • 管理が煩雑になる場合がある

Docker コンテナと VM の使い分け

  • Docker を選ぶべきケース

    • マイクロサービスアーキテクチャを採用している場合
    • 軽量で迅速なデプロイが必要な場合
    • 開発、テスト、本番で同じ環境を動かしたい場合

  • 仮想マシンを選ぶべきケース

    • フルスタックのシステムをテストしたい場合
    • 異なるOSを同時に実行する必要がある場合
    • ホストと完全に隔離された環境を用意したい場合